「誰も住まなくなったから、水道代がもったいないので即解約しよう」
実家が空き家になった直後、真っ先に水道の閉栓(解約)をしてしまう人が後を絶ちません。
しかし、不動産を残す・売却するうえで、これは家に大ダメージを与える要因となりえます。その他のインフラである電気とガスを読んで、優先順位を整理してください。
本記事では、水道を止めること、空き家に水気を放置することで発生する「物理的な家屋ダメージ(悪臭・ネズミ・凍結破裂)」と、資産価値を守るための必須テクニック「通水管理」について解説します。
1. 水道を止めると下水から「ネズミと虫と悪臭」が逆流する
家の中のニオイに関わる最も重要な仕組みが、台所やトイレ、風呂場にある「排水(U字管内の溜まり水)」です。
この溜まり水(排水トラップの封水)があることで、下水道からの強烈なドブの臭いや、ゴキブリ、コバエ、カ、ネズミといった害虫・害獣が室内に侵入するのを物理的にブロックしています。
一度蒸発すると、家中に下水の異臭が充満します。いざ売却しようと不動産屋を呼んだ際に「臭すぎて買い手がつかない(値下げ要因)」という事態に直結します。
2.冬場の「凍結破裂」による家屋水没と高額請求
もう一つの懸念が「水道管の凍結破裂」です。
冬が来て、気温がマイナスになると、配管内の水が凍って膨張し、塩ビ管や鉄管が破裂します。
| 破裂に気づかず春を迎えた場合の損害 | 影響度 |
|---|---|
| 床下浸水による木材の腐敗・シロアリ発生 | 激高 |
| カビの大繁殖による家屋の資産価値目減り | 大 |
| 漏水による高額な水道料金請求 | 大(※例外減免措置がある自治体も一部あり) |
特に寒冷地ではなくても、誰も住まず暖房をつけない木造の一軒家は底冷えするので、屋内の水分は非常に凍結しやすくなります。
3. 片付け・空き家維持のための「正しい水まわり管理」
実家を翌週に解体して更地にする場合を除き、水道は「契約名義を変えて継続し、毎月の基本料金(1〜2千円)を払いながら維持する」のが、結果的に最も不動産を保護できる鉄則です。
この通水作業を組み込んだ空き家を腐らせないための週末3時間・自主管理ルーチンを実践することで、資産価値の低下を防げます。
🟢 月に1回の通水作業
月に1回程度実家を訪れ、すべての蛇口(台所、風呂、洗面所、トイレ)から3分ほど水を流しっぱなしにしてください。これにより配管のサビを防ぎ、排水トラップに新しい水を供給して悪臭と害虫をシャットアウトできます。
🔴 冬場の退出時には徹底した「水抜き」
冬の間に1ヶ月以上実家を空ける場合は、必ず水道メーター付近の「元栓(不凍栓・水抜き栓)」を完全に閉め、家中の蛇口をすべて全開にして管内の水をカラカラに出し切って(水抜きして)から自宅へ帰ってください。
ちなみに、排水トラップは下水、水道管は上水です。別系統。下水には水を留め、上水には留めないのが空き家の正しい水回りです。
4. 公式:各自治体・水道局への手続き方法
水道は民間企業ではなく、実家のある「市区町村の水道局(または上下水道局)」が管轄しています。「〇〇市 水道局 名義変更」で検索し、名義変更(承継)を行ってください。
支払いの口座引き落としが止まっている場合は、早急に遺族のクレジットカードや口座へ変更しておく必要があります。
これらのインフラ整理を含めた実家じまいの全行程:銀行・遺品整理・不動産処分を完了させるロードマップを俯瞰し、着実に進めていきましょう。
※ 代表的な大都市圏の水道局窓口はこちら(地方は各自検索してください)